酔い止めに含まれる「メクリジン」は身長を伸ばす働きがあるってホント?
めまいや吐き気を抑える作用があるとして酔い止め薬に含まれている「メクリジン」には身長を伸ばす作用があるといわれていますが本当でしょうか?ここでは、メクリジンが持つ作用や上手なとり方、気になる副作用についてを説明します。
メクリジンはどんな成分?
「メクリジン」とはめまいや吐き気など乗り物酔いの症状を抑える酔い止め薬に含まれている成分のひとつ。
乗り物酔いは、内耳の平衡感覚が強い刺激を受けて自律神経の働きを乱すことで起こりますが、それを防ぐためにメクリジンは脳や内耳の自律神経の働きを抑えて乗り物酔いを起こりにくくします。
テレビ番組から「身長が伸びる」との噂が
バラエティ番組「ホンマでっかTV」にて、メクリジンには骨を伸ばす作用があると放送されたことがきっかけで乗り物酔い薬の成分のひとつが注目をあびることになりました。
しかし、番組では骨を伸ばす働きがラットの実験によって見つかったことだけが言われ、実際に人間の背を伸ばす効果があるとまでは言われていません。
マウスを使った実験とは?
まずマウスを背が伸びない病気にかかった状態にし、そのマウスの細胞に1100種類を超える既存の薬を投与したところメクリジンが身長を伸ばさない原因の遺伝子に働きかけていることがわかりました。
しかし、身長を伸ばすという長期的な実験が必要になるだけに、人間に使える日がくるのはまだ先のようです。
どうやって飲むと効果的?
身長を伸ばす目的で、酔い止め薬を一時的ではなく長期的に使うことは、厚生労働省からは推奨されていません。また、乗り物酔いの酔い止めを目的として販売されている薬を背を伸ばすために長期的に使った場合に何かがあったとしても補償はないでしょう。
もしそれでも効果を知りたい場合は1日あたりの容量を守って自己責任で試してみるしかありません。
ちなみにメクリジンは一時的な適量の使用では安全確認がされていますが、長期的な使用については安全確認がされていないことを知っておきましょう。
メクリジンの副作用
眠くなる
酔い止め薬を飲むと眠気が起きることがあるといわれており、抗ヒスタミン薬は特に眠気が強く出やすいです。
しかしメクリジンは眠気が出ても比較的弱い成分ですが、個人差はありますので服用した時は車の運転をしないなどの注意が必要になります。
持続時間が長い
一言で酔い止め薬といっても効果が現れるまでの時間や眠気の強さなどで違いがあります。メクリジンの場合は、効果が出るのが遅くその代わり持続時間が長い点が特徴です。
そのため、効き目が現れないからと続けてたくさん飲んでしまうと効果が強くなるので、副作用が出る可能性がないとはいえません。
内臓に障害も
体に現れる恐れのある症状には、排尿困難、眼内圧上昇、口の渇き、便秘などがあります。
また、現在腎機能疾患や緑内障がある場合は飲む前に医師に相談しておきましょう。
使用できる年齢にも注意
酔い止め薬によっては子供は使えないと注意書きがある薬もあります。特に酔い止め目的ではなく身長を伸ばしたいとして飲む時は長期的な使用になるため、危険がともなうでしょう。
成長期の子供には酔い止め薬ではなく、健康的な方法で背を伸ばす工夫をした方が体への負担も少なくなります。
成長期に身長を伸ばす方法
適度な運動、健康的な食事、きちんと睡眠をとることがそろえば成長期の身長の伸びを妨げることなく育つことができるでしょう。
運動はスポーツ科学に基づいたメニューを行う指導者の元で適切にすると、たとえ食が細い人でも適切な睡眠をあわせてとれば体の成長に期待ができます。