家族はどう接すれば?統合失調症のサポートの仕方
家族や近しい友人が統合失調症になってしまった。そんなときに、看病してあげたいと思うけど、統合失調症のサポートをどうすればいいのかわからない方も多くいらっしゃることでしょう。統合失調症の患者さんへの接し方から、心持ちまでを解説・説明いたします。
統合失調症にはみんなのサポートが必要
私たちの脳は、さまざまな情報を感じ取り、それを整理し続けています。つまり、人間のマザーコンピューターともいえる存在なのです。
では、その脳が情報を整理できなくなったとしたらどうなるのでしょうか? それが統合失調症です。
統合失調症の原因はいまだ研究段階ですが、遺伝や、赤ちゃんとしてお腹の中にいた頃のウイルス感染などが考えられています。
また、なりやすい性格があるといわれており、「おとなしい気質で、気にしやすい人」が統合失調症を発症しやすいです。
統合失調症になってしまうと、不眠や、周りのことが気になって仕方なくなるといった神経性の症状が見受けられます。ひどい方だと、幻覚が見えたり、ありもしなかったことを記憶してしまう妄想の症状が出てきたりして、日常生活にも大きな支障を伴います。
一番つらいのは本人で間違いないですが、看病して一緒に生活をする家族の方も大きな負担になります。また、友人や恋人など周りの方のサポートも必要になります。
それでは、統合失調症のサポートにはどのようなことが適切なのかを解説していきましょう。
統合失調症との向き合い方
統合失調症は、患者さんとの接し方ひとつで快方に向かったり、悪化してしまったりします。
そのため、周りの方は統合失調症という病気がどのようなものか理解して、どのような向き合い方をするのかを考えなければなりません。ここからは、その具体的な例を解説していきます。
患者さんへの接し方
統合失調症の方へは、強い態度をとってはいけません。
例えば、統合失調症と診断されたことを嘆いてしまったり、それが原因で休んでいることに対して「情けない」などと言葉や態度に表してしまったりすると、症状は悪化してしまうことでしょう。統合失調症の方は、とても敏感になっているのです。
このように、批判的であったり感情的な態度をとることを「感情表出」と呼びますが、感情表出は統合失調症の再発率にも大きくかかわります。実際、感情表出が頻繁に起こっていた家族と、起きていない家族では、再発率に5倍近くの差が出ているという調査もあります。
周りの方は、患者さんに対して承認メッセージで伝えていき、サポートするようにしましょう。
病気のことを知る
統合失調症は、名前はよく聞くようになりましたが、どのような病気なのか分かっている人は少ないことでしょう。
特に、精神科の係り受けになるのは恥ずかしいとか、話しにくいという理由から避けている方も多くいらっしゃいます。
しかし、誰にも相談せずに、統合失調症という病気を重いものだと考え過ぎるのは、とてもよくありません。病気のことをきちんと知って、統合失調症と向き合わなければなりません。
統合失調症に関する相談は、精神科病院の他、保健所や福祉センターの窓口でも相談をしてくれます。まずは、専門家の意見をきちんと聞いてから、サポートの仕方を考えてみてはいかがでしょうか。
焦り過ぎないようにしよう
何度も繰り返すようですが、統合失調症の回復の鍵を握るのは、周りの方のサポートです。
しかし、それに息巻きすぎるのはいけません。思うように治療が進んでいないと感じてしまったときに、先述のような高圧的な感情表出が起きてしまうリスクが高まります。
統合失調症の治療はとてもゆっくりと進みますし、急に悪くなってしまうことも珍しくありません。このことも頭に入れながらサポートするようになれれば、気持ちが楽になるかもしれませんね。