ステロイドの効果ってどんなもの?ステロイドが使われている理由
ステロイドとは、副腎という臓器から作られるホルモンのことで、身体の免疫力を抑制したり、炎症を抑えたりする作用があります。そのため、アトピー性皮膚炎をはじめさまざまな疾患の治療に使われます。しかしながら副作用も強いマイナスイメージもあります。ステロイドの効果と使い方について知っておきましょう。
ステロイドの効果ってどんなもの?
ステロイドとは、副腎皮質ホルモンの一つであり、薬として多く使用されています。
塗り薬などである外用薬は、主にアトピー性皮膚炎などの炎症に使われ、吸引薬は主に喘息の治療に使われます。
特にステロイドの効果の特徴である「免疫抑制」の力によって、自己免疫やアレルギーが原因の病気に対して、過剰な免疫を抑制する効果があります。
そもそもステロイドって何なのか?
ステロイドとは、身体の中で合成されてホルモンとして機能する化合物であり、それらを総称してステロイドと呼びます。そのうち医薬品で使われているのは、副腎皮質ホルモンというホルモンです。
副腎皮質ホルモンとは、副腎という腎臓の周辺で作られているホルモンです。身体の中で作られている副腎皮質ホルモンを人工的につくって薬にしたのがステロイドです。
特に着目されている成分はコルチゾールです。コルチゾールに抗炎症作用があることでステロイドは注目されており、開発した人がノーベル賞を受賞したくらいです。
炎症を抑えるということは、身体の免疫を抑制していること
このように、ステロイドは炎症を抑えることで知られている画期的な薬品です。その機能を利用してもう一つ考えられるのが免疫抑制です。
炎症は、身体に入り込んでくる細菌などの異物を排出するために起こります。しかしながらアレルギーやアトピー性皮膚炎は、本来毒性のないものを毒と判断して炎症を起こしてしまう免疫過剰の状態です。
そこにステロイドを投与することによって、過剰に働く免疫が抑制されるという効果があります。そのため、ステロイドはアトピー性皮膚炎にも効果があります。
ステロイド点滴も効果があります
ステロイドには、抗炎症効果とそれに伴う免疫抑制効果があります。
身体の炎症を抑えるために塗り薬として用いるイメージが強いと思われますが、実は吸入して使用したり、点滴薬として使用することもあります。
吸入でよく使われているのは、喘息治療です。喘息は気管支が炎症を起こしてしまうという病気ですが、抗炎症作用によって気管支の炎症を直接抑えられる効果のあるステロイド吸入は、喘息治療の基本となっています。
重症の病気に対しては、ステロイドを点滴することも
ステロイドの抗炎症作用やそれによる免疫抑制効果は大変強いため、重症の病気にも使用されます。
重度の喘息や、血管や皮膚、筋肉や関節などが起こす膠原病、アレルギー患者に多いアナフィラキシーショックに対するものであったり、腎臓病や服腎不全、手術後の鎮痛などにも使われます。
このように、ステロイドの効果は多岐にわたります。
注意したいステロイドの副作用
そんな抗炎症剤としては特効薬的な役割を果たすステロイドですが、副作用もあることで知られています。なぜなら、身体の免疫を抑制してしまうので、本来免疫が必要な部分も抑制してしまうからです。
病気にかかりやすくなったり、太りやすくなったり、ステロイドをなかなか離脱できなかったり、高血圧になりやすいことがあります。
ですが、医師と相談してしっかりと治療を行っていくことにより、最低限の影響で済ませることができます。加えてステロイド以外に有効な治療法がないケースもあります。