潔癖症になってしまう原因とその心理について
潔癖症は「不潔恐怖症」とも呼ばれ、汚れが過剰に気になってしまう病気です。潔癖症になる原因として、几帳面な性格も関係していますが、親に叱られて育つと「脅迫観念」が強くなり、行動にまで及ぶと「脅迫行為」となります。
潔癖症の人の特徴
潔癖症(けっぺきしょう)は、汚れが過剰に気になる病気で、「不潔恐怖症」とも呼ばれます。
潔癖症の人の特徴ですが、一日に何度も手を洗う、他人が触ることの多いドアノブや電車のつり革などにつかまることができない、ウェットティッシュを常に携帯していることなどがあげられます。
他人と飲み物を回し飲みなどはしませんし、みんなとひとつの鍋をつついて食べる料理などは苦手です。なかには、自分専用の「マイ箸」や「マイコップ」などを持参している人もいるようです。
ウェットティッシュを携帯
汚れが気になる潔癖症の人は、アルコール除菌のウェットティッシュなどを常に携帯しており、気になるところを拭いてから利用します。
汚れを拭き取るだけでなく、除菌してから触るのが目的の場合があります。スーパーなどの買い物カゴの持ち手部分を、ウェットティッシュで拭いている人がいます。
ウェットティッシュがない場合はティッシュやハンカチなどで代用するか、上着の袖を伸ばして洋服でつかむこともあるようです。
潔癖症の人が苦手とするもの
潔癖症の人が苦手なものとして、公共の洋式トイレ、病院などで出されるスリッパ、図書館の本、古本、中古の商品、回し飲み、鍋料理、外食の食器、おにぎり、握り寿司などがあげられます。
こういったものを苦手と思う人は、潔癖症の可能性があります。しかし、これらはすべて「自分だけはキレイ」というのが前提です。
自宅の洋式トイレ、普段使っているスリッパ、自分が読んだ本、手料理、自分が使っている物などもすべて中古となりますから、どちらがキレイかの判断は微妙です。
潔癖症の人の心理
潔癖症の人の心理にあるものは、完璧主義であったり、几帳面な性格であることが多いようです。そのような元々の性質が潔癖症を助長するようなことはあるかもしれません。
しかし、潔癖症となるまでには、単に「几帳面」と言うだけではすまされない「脅迫観念」があります。脅迫観念というのは、そのことが頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを指します。
また、脅迫観念が頭の中だけですまずに、行動にまで及んでしまうことを「脅迫行為」と言います。
潔癖症になる原因
潔癖症になる原因ですが、カウンセラーや医師は、子供の頃の体験が関係していると言います。
たとえば、親に部屋をキレイにすることを強いられたり、「汚いから触っちゃダメ」などと叱られることが多いと、その子供は潔癖症になる可能性があるようです。
また、子供の頃に「ドアノブには、たくさんのバイ菌が付着している」みたいな番組を見ることで、それがトラウマとなってしまう場合があるとのことです。
親は子供に教えるときにはフォローしたり慎重にしないと、その子が大人になってからも忘れられないことがあるのかもしれません。
キレイ好きな人との違い
潔癖症の人は、キレイ好きな人とよく似ていますが、両者の違いは心の底に不安や恐怖心があるかないかの違いです。
キレイ好きな人は、部屋を掃除してキレイになると満足が得られますが、潔癖症の人は何時間掃除しても満足が得られないことがあるようです。
だらしないよりキレイ好きの方がよさそうですが、潔癖症の場合は、度を越すと外出できないような状態になることも考えられますから、少しずつ恐怖心を取り除く努力が必要になります。
個人の努力が難しいようであれば、心療内科などで専門家の手を借りましょう。