しつこい痛みにサヨナラ?ペインクリニックの治療ってどんなことをするの?
痛みを緩和するペインクリニック。痛みに苦しむ人には救世主です。しかし、ペインクリニックの治療に不安を感じて二の足を踏む人もいるのではないでしょうか。そこで代表的なペインクリニックでの治療法やその効果をまとめました。
痛みって治していいの?
痛みは不快で苦痛なものですが、病気や怪我などを知らせる重要なサインです。痛みを感じるということは生きているということです。
従来は医療関係者の間でも痛みは「我慢するもの」という考え方が一般的でした。しかし、現在では必要を超えた痛みや、後遺症として残ってしまった痛みなどは積極的に治療していくのが基本的な方針に変わりつつあります。
痛みは絶えず強いストレスの原因となり、痛みが更なる痛みを呼ぶ痛みの悪循環を起こします。この痛みの悪循環が健康や生活を脅かすことがあるのです。
ペインクリニックとは
ペインクリニックとは痛みの専門科です。全身の辛い痛みの診断と治療をします。
痛みのほかに、顔面神経麻痺や多汗症、突発性難聴などの治療を行っているところもあります。
ペインクリニックの治療
神経ブロック注射
ペインクリニックの治療の代表的なもので、よく行われているのが神経ブロックです。
神経ブロックとは、痛みの出ている場所の近くの神経に局所麻酔薬などを注射して、痛みを遮断する治療法です。
痛みを遮断している間にその部位の神経や筋肉を休め、人体に備わっている自然治癒力で病気そのものを治す効果も期待できます。
痛みを全く感じなくなるわけではなく、余計な痛みや興奮を抑えるだけですので心配は要りません。
星状神経節ブロック
星状神経節ブロックとは神経ブロックの中で、首のつけねにある星の形をした神経の塊をブロックする方法です。
顎を上げてもらって、首の星状神経の近くに局所麻酔薬を注射します。頭痛から頚椎症、肩こりなどの上半身の痛みや神経の麻痺などに効果があります。
腰部硬膜外神経ブロック
腰部硬膜外神経ブロックは、腰椎に局所麻酔薬を注射する治療法です。
ベッドに横向きに寝て、海老のようにまるくなってもらい、腰椎に麻酔薬を注射します。痛みを感じることもありますが、脊椎に近い位置に注射を打つため即効性や効果は高い治療法です。
腰椎症やぎっくり腰、坐骨神経痛など下半身の痛みに広く効果があります。1回で長年の痛みが完全になくなることもありますし、数回に分けた施術が必要なときもあります。
その他の神経ブロック
神経ブロックは、星状神経節ブロックと腰部硬膜外神経ブロックだけではありません。
ほかにも、三叉神経ブロックや肋間神経ブロックなど、痛む場所や症状に合ったさまざまな神経ブロック注射があります。
薬物療法
ペインクリニックの治療では、いわゆる痛み止めの薬も使われます。神経ブロックと併用して、あるいは単独で薬物療法を行います。
ペインクリニックで処方される薬は一般的な消炎鎮痛剤のほかに、オピオイドや抗不安剤などの鎮痛補助薬、湿布や軟膏といった外用薬などさまざまです。
物理療法
整形外科で行われる、温熱療法や電気治療などの理学療法もよくペインクリニックでも行われます。筋肉をほぐしたり、血流を浴することで痛みをやわらげます。
その他の治療法
レーザー治療や、特定の波長の光を当てる光線療法など、ほかにも痛みをとる治療はたくさんあります。鍼治療などの伝統医学が功を奏すこともあります。
クリニックによって特徴的な治療は異なりますので、ご自分にあったペインクリニックを探してみるのも、つらい痛みの緩和に大切なことです。