周りの人がガムを噛む音が気になるのは、音嫌悪症のせい?
周りの人がガムを噛む音が気になるという人は少なくないですが、その音が一度気になってしまうと、イライラが止まらなくなってしまったり、心拍数が上がってしまうなどの症状にまで至るのが音嫌悪症です。音嫌悪症については、研究が進められていますが、現在のところはっきりとした原因や治療法は確立されていません。
音嫌悪症ってどんな症状?
パニック状態になることもある
音嫌悪症という病気をご存知ですか?
周りの人が食べ物をくちゃくちゃと食べる音や、鼻をすする音、ペンをカチカチと言わせる音などが気になったことは、誰にでもあるでしょう。
ですが、周りの人がガムを噛む音が気になるなどという程度をはるかに越えて、周りの人が出す音でイライラが募る、パニック状態になる、心拍数が上がる、冷や汗が出る、呼吸が困難になる、などの症状を伴うのが音嫌悪症です。
中には、子どもがくちゃくちゃ食べるのを見ると、首を絞めたくなるというほどの嫌悪感を感じる人もいるようですが、音嫌悪症では自分が立てる音については、気にならないというのが特徴です。
また、音だけに限らず、貧乏ゆすりなど目に入る刺激によっても、不安や恐怖を感じることもあるようです。
音嫌悪症は生まれつき持っている先天的なものではなく、何かのきっかけから症状が表れることがほとんどであると言われています。
幼少期の経験がトラウマとなって発症したり、精神的なストレスが引き金となることもあるようですが、気が付いたら発症していたというケースも少なからずあります。
音嫌悪症の原因や対処方法については、研究は進められているものの、現在のところまだはっきりとはわかっておらず、治療方法も確立されていません。
音嫌悪症の人の中には、小さい頃から症状があったために、大人になるにつれて、自分なりの対処方法を身につけたという人もいれば、大人になればなるほど症状が悪化したという人もいます。
音嫌悪症の対処方法
自分なりの対処方法を確立しよう
音嫌悪症を発症してしまったら、周囲の人とのトラブルを避け、気になる音から逃れるために、自分なりの対処方法を身につけるといいでしょう。
まず、最初に考えられるのは、音が聞こえる場所から離れること、それが難しいときはヘッドホンで音楽を聴くなどして、周りの人が立てる音から逃れることを考えましょう。
また、周りの人が立てる音が気にならないように、自分の意識を他のことに向けて、それに集中するなどの対処方法もあります。
身近な人には、打ち明けよう
音嫌悪症の人にとって、周りの人が出す音と同じくらい辛いのが、音嫌悪症についての理解が進んでいないことです。
かなり親しい人でない限り、食事の時の音や、鼻をすする音をやめてもらうように言い出すのは、なかなか難しいことですし、音嫌悪症の症状についても、「気にし過ぎだ」とか、「それくらいのことが許せないなんて」などという反応が返ってくるのを恐れたり、また精神的な病気ではないかと思われそうで、なかなか言い出せないことが多いと言います。
日本では、まだまだ音嫌悪症という病気についての認知度は低いですが、ごく身近な人だけにでも、音嫌悪症の症状についてわかってもらえると、気持ちははるかに楽になりますから、一人で辛さを抱え込まないようにしたいものです。
インターネット上には、音嫌悪症の人たちが悩みを相談し合うサイトもあるようですから、そこに参加して同じような経験をしている人がどのように対処しているのかを学ぶのもいいでしょう。
また、治療法は確立されていないとはいうものの、医師に相談すれば、何らかの対象療法があるかもしれませんから、病院に行って医師にも診てもらうようにしたいものです。