寒いとうつ病になりやすい!?こころの病気と寒さとの関係について
うつ病とは日本では100万人近くに上る患者がいるといわれている深刻な病気です。季節とも関連性があり、冬になると何をやるにも億劫になるなどといった症状がみられる人もいます。寒いとうつ病になりやすい、その関係を知りそしてしっかりと理解することが必要です。
そもそもうつ病ってどんな病気なのでしょうか
うつ病は、日本では100万人近くに上る人が苦しんでいる心の病気です。気分の落ち込みだけではなく身体の重さなど不調が続き、気分が落ち込んだり重苦しい気持ちになります。
うつ病の原因ははっきりとはわかっていませんが、脳の神経伝達物質の減少によるといわれています。心のバランスを整える脳内ホルモンの”セロトニン”が低下することで起こります。
ストレスや環境の変化などもうつ病を引き起こします。気力の問題ではなく、医療機関での治療が必要です。
寒い冬はストレスが溜まりやすい 寒いとうつ病になりやすい
寒い冬は睡眠がきちんと取れない場合があったり、逆にいくら寝ても起きられないことがあります。このため体内時計が狂ったり、睡眠不足が起きたりすることでストレスが溜まりやすくなります。
加えて、病気などが流行している時期ですので、身体がウイルスと戦うためにストレスもたまりやすくなります。
そして、うつ病の原因とされる脳内のセロトニンとも関係しています。セロトニンは日光を浴びると増えるのですが、冬は日光を浴びる機会も減少しますので、うつ病になりやすいのです。
海外では深刻な問題、冬季うつ病について
アメリカのシアトルや、イギリス、フィンランド、ロシアという寒くて日照時間の少ない地域では、冬季うつ病の発生率が非常に高くなっています。
冬季うつ病になる確率は、ひどい地域では10パーセントにものぼり、特に女性の発症率が高いことが知られています。
冬季うつ病は欧米では当たり前のように存在する病気であり、日本でも徐々に認知度が上がってきています。
冬季うつ病の症状はどんなもの、普通のうつ病とどう違うのか
冬季うつ病は、一般的なうつ病の症状とも言われる気力の低下、倦怠感、イライラなどがありますが、冬季うつ病ならではの症状もあります。
たとえば、1日に10時間以上眠ってもまだ眠いという仮眠、チョコレートやアイスクリームなどの甘いものを摂りすぎてしまう過食などです。
そして、日中も強烈な眠気に襲われてしまいますので、仕事をしている人などは仕事に支障が出る場合もあります。
冬季うつ病防止にはは寒さ対策が有効
風邪をひいたり病気になった、インフルエンザで寝込んでしまった、ということをきっかけにうつ病のような状態になることは少なくありません。ですので、冬は体調管理に気をつけることが必要です。
そして、年末年始などの特別な状態であっても、普段通りのスケジュールで過ごすことが必要です。
さらには、暖房に頼り切らない寒さ対策も必要です。寒さで睡眠が十分とれないことでうつ病を引き起こすこともあるからです。
寝具やパジャマ、機能性肌着を使用するなど、しっかりと対策を取ることも必要です。
冬季うつ病になってしまったら
何をしてもやる気が出ない、倦怠感を感じるといったような冬季うつ病の症状が出てきたら、意識して日光を浴びるようにしましょう。朝日を浴びる、外に出て運動するといったことで、症状が軽くなることもあります。
うつ病の原因となるセロトニン不足には、投薬で改善できることもあります。そのため、症状が深刻にならないうちに心療内科や精神科でしっかりとしたカウンセリングを受けることが必要です。