うつ病と躁うつ病の違いって?正しい治療には見極めが大切!
うつ病と躁うつ病は同じようにとらえがちですが、実は全く別の病気です。もし、判断を誤って治療してしまうと症状が悪化し最悪のケースが訪れる可能性も。ここではうつ病と躁うつ病の違いやそれぞれの治療法について解説します。
うつ病と躁うつ病は同じではない
“躁うつ病”という病名から、うつ病と同じようなものととらえがちですが、最近では躁うつ病のことは「双極性障害」とよび、この2つは全く別の病気として区別されています。
しかし、うつ病に似た状態が躁うつ病にはあるため、うつ病であると間違って判断されることもあり注意が必要です。
うつ病について
うつ病とは?
一日中重い気分が続く、やる気が出ないなどの抑うつ状態が続くことをうつ病といいます。またうつ病という病名が広く知られるようになり、患者数も100人に3~7人はうつ病の経験があるというデータも。
患者数は年々増加しており、うつ病を疑い受診する人が増えたことや、社会環境の変化によってうつ病を患う人が増えたこととの関係が考えられています。
うつ病の症状
精神的もしくは身体的、またはその両方で強いストレスが重なった結果脳に障害がおき、うつ病が発症します。
発症すると、眠れない、食欲がおちた、否定的な考え方になる、気分がゆううつなど心と体の両方に症状がでるように。
あらゆる症状は決して怠けているから起きたわけではなく、ストレスからくる脳の障害であり「自分はダメな人間だ」と落ち込む必要はありません。
躁うつ病(双極性障害)について
双極性障害とは?
双極性障害は、うつ病のようなうつ状態のほかに気分がとてもよく活動的になる躁状態があります。
重度の躁状態になると、仕事でトラブルを起こしたり夫婦仲が悪くなったりなど周りに迷惑をかけるほどにも。そして躁状態のあとにはうつ病の症状とよく似た状態におちいります。
うつ病の患者数に比べて少ないですが、軽度の双極性障害の場合躁状態だと気づかれずにうつ病との診断を受けている可能性も。
双極性障害の症状
躁状態が重度であれば、気持ちが大きくなり積極的に行動する、誰にでも話しかける、じっとしていられない、相手に対して攻撃的になるなど周囲への影響が心配される行動が増えます。
また、軽度の場合は周囲にそれほど迷惑をかけないために躁状態であることに気づかないケースも。
特に躁状態にあるとき、本人は気づかない場合が多いため、家族や周りの人が気づいて自覚させてあげる必要があります。
的確な治療が必要な理由
治療法が全く違う
うつの症状はうつ病にも躁うつ病にも現れますが、治療法が全く違うためどちらの病気や障害にあたるかを正しく見極める必要があります。
例えば、うつ病には「抗うつ薬」が処方されますが、躁うつ病の人がそれを飲んでしまうと効果が薄いだけでなく、躁うつの繰り返しが激しくなるなど悪化させる原因になることも。
躁うつ病の治療には抗うつ薬ではなく「気分安定薬」または「精神安定薬」が処方されます。
躁うつ病は本人では気づけない
うつ病の場合、症状が2週間以上続くと疑いがあり、本人にも症状の継続が感じられて受診をすることも増えています。
しかし、躁うつ病の場合は躁状態の時には本人は自覚がないため、うつ状態にだけ目がいき、その結果うつ病を疑って受診する可能性が。
家族や親しい人にうつ病のような症状が現れている時は、躁状態があるかどうかを見極める必要があります。
軽度の場合、見極めが難しいですが、本人にとってはよりわかりづらいため、できるだけ周囲にいる人たちが気を付けて様子を見るようにしましょう。