フィラグリンとはアトピー性皮膚炎を引き起こすものであるって本当??
皆さん、「フィラグリン」って言葉を聞いたことがありますか?フィラグリンとは、皮膚のバリア機能に非常に関係のある物質です。このフィラグリンとアトピー性皮膚炎は、最近の研究結果で大いに関係があることが分かってきました。そこで、ここでは、フィラグリンとアトピー性皮膚炎との関係を分かりやすく解説します!
フィラグリンって何??
皮膚のバリア機能を司る物質!!
フィラグリンとは、皮膚の角質層にあるたんぱく質の一種であり、表皮の細胞に含まれているものです。皮膚の角質層を生成する中で、角質成分であるケラチンと共に表皮に必要な大切な成分です。
フィラグリンの役割は??
フィラグリンは、皮膚を保湿する作用があるのはもちろん、紫外線によるダメージを防ぐなど皮膚のバリア機能をしっかりと担っています。
従って、フィラグリンがきちんと生成できないと、角質異常が起こってしまい、皮膚のバリア機能が落ちてしまうのです。
フィラグリンは人間の表皮でしか作られない!
フィラグリンは、人間の表皮でしか作られないということは、研究の結果で分かっています。フィラグリンが正常に生成され続ければ、肌の透明感や張りが保たれます。
しかし、フィラグリンの生成量は、幼児期が一番多く、その後は次第に減少していきます。また、ストレスや紫外線といった外的刺激を受けると、さらに生成量が減少することも分かっています。
アトピー性皮膚炎とフィラグリンの関係は??
アトピー性皮膚炎はフィラグリン異常で発症する!!
アトピー性皮膚炎は、最近のイギリスの学者らの研究結果で、アトピー性皮膚炎の患者の約3分の1~半数にかけてフィラグリンの生成に異常があることが分かりました。
また、2008年には、日本でもアトピー性皮膚炎患者の約20%がフィラグリン生成の異常があることが分かりました。
従って、アトピー性皮膚炎とフィラグリン生成の異常は関係があることが分かってきました。
フィラグリンの生成に異常があると、皮膚をバリアする力が落ち、アレルギーを引き起こすアレルゲンが体の中に入りやすくなり、アトピー性皮膚炎を引き起こしてしまいます。
アトピー性皮膚炎を防ぐには環境に配慮する!
フィラグリンの生成に異常がある方でも、アトピー性皮膚炎を発症していない方もいます。
アトピー性皮膚炎は、アレルゲンが侵入することによって症状を引き起こすことが分かっているので、アレルゲンを環境の中から取り除くことで発症を防ぐことができます。
例えば、猫や犬の毛がアレルゲンであると分かっているなら、猫や犬のいない環境に身を置けば、アトピー性皮膚炎を発症することはありません。
日常生活する上で、なかなか大変かと思いますが、環境に配慮することを心がけましょう。
フィラグリンを増やすとアトピーは緩和される!
フィラグリンはアトピーを完治させる訳ではない!
フィラグリンとアトピー性皮膚炎が関係するという研究結果が発表された時に、「フィラグリンを補給すれば、アトピーが完治する!」と思われた方も多いようですが、それは大きな間違いです。
フィラグリンを補うことによって、アトピー性皮膚炎の一部の症状に対しては有効かもしれませんが、アトピーの痒みなどの様々な症状を引き起こす要因は、前述の通り、アレルゲンであったり、皮膚機能の要因であったり多岐に渡るので、これだけで治るという認識は捨てた方が良いでしょう。
しかし、フィラグリンの生成異常がアトピー性皮膚炎を引き起こす要因の一部であるということは確かのようです。