この苦しみは治るの…?PTSDの治療方法とは。
PTSDを知っていますか?あまり聞きなれない言葉だと思います。PTSDとは、心の病気です。心の病気になんてならないよ。と思う方も多いかもしれませんが、いつなってしまうかわからない病気です。そのPTSDの治療法についてみていきたいと思います。
PTSDってなに?
PTSDとは、「外傷後ストレス障害」のことです。
生死にかかわる出来事や、死傷の現場を目撃してしまうなどの体験をすると、強い恐怖を感じて「トラウマ」という形で心の傷になり、その体験が何度も思い出されてその時に戻ったような恐怖を感じ続ける…という病気です。
このような体験をした後では、誰もが繰り返し体験したことを思い出して恐怖を感じるものですが、通常は数週間で徐々に恐怖も薄れ、記憶が整理していきトラウマも過去のものになっていくのですが、トラウマの症状が1ヶ月以上も継続し続けた場合、重大な苦痛や生活に支障が出てしまっていると、ASD「急性ストレス障害」の診断が出ます。また、トラウマの症状が3カ月以上継続し続けた場合、「慢性」という診断がでます。
トラウマになってしまう体験は、大規模な災害・犯罪・単独犯罪被害・交通事故・家庭内暴力・虐待、などです。PTSDを発症した方は高い確率で、「うつ病・不安症・アルコールの問題・摂食」の障害を合併することがあるのです。
家族や知り合いがなってしまった場合は、まず被害を受けた方が安心できる環境で過ごせるように配慮してあげてください。その方が、安全な環境にいない・いれない場合は、公的機関を利用してもいいかもしれません。
トラウマの体験後、PTSDの症状は通常、数か月で回復していくので支持的な態度で温かく見守ってあげてください。数カ月しても回復の兆しが見えない、または苦しんでいる様子でしたら、医療機関への受診を勧めてみてください。
PTSDの治療法はどのようなものがあるの?
心の傷の回復を助けて、苦しい症状を軽減、健全な状態に戻すことを目的としてPTSDの治療は行われます。
今の心と体の症状に合わせて「認知行動療法・薬物療法」など、その症状に合わせていくつかを組み合わせて行うこともあります。治療するときの環境作りも大切になっていきます。
「認知行動療法」とは、心的外傷に焦点を当てて治療していきます。PTSDの専門家がいますので、その方に行ってもらいます。
「薬物療法」はその名の通りです。眠れない・不安が強い・うつ状態などの症状がある場合、坑うつ薬や抗不安薬、気分安定薬などの薬を症状に合わせて処方していきます。
「グループ療法」というのもあります。これは、同じような体験をした人たちがグループとなって、原因となった体験を語り合う、というもの。「癌」などの病気で、グループになって語り合うというサロンを行っている病院もあります。
悩んでいるのは自分だけではない。誰かに聞いてほしい。自分の悩みは他の人より軽いのかも…など、抱え込んだ思いを吐き出すことはいいことかもしれません。
克服したい…自分でできることはあるの?
克服するには治療は大事です。ですが、ご自身が「必ず克服する!」という強い意志が重要なのです。
PTSDを抱えている方は、被害にあったことや、目の前で起こったこと・人を助けられなかったことについて、自分を強く責めるケースが多いそうです。自分を責めると症状の悪化を招いてしまいます。なるべく自分を責めないでください。
全く責めるな!は難しいと思います。なるべくでいいです。責めないでください。
また、生活リズムが乱れることがよくあるそうです。できるだけ、普段通りの生活に戻れるように努力してください。バランスのとれた食事や、適度な運動、職場復帰も症状の軽減につながるそうです。そこで注意したいのがお酒やカフェインの入った飲み物、タバコの過剰摂取は控えてください。
他にも、孤立してしまうと症状の悪化を引き起こします。少しずつでいいので、信頼できる家族や友人に助けを求めてみてください。お休みの日など一緒に過ごしてもらうようにしましょう。
この病気は数カ月で自然回復することが多いですし、しっかり治療を受ければ回復できる病気です。克服できることを強く信じてください。自分でできることは実践してください。焦らずゆっくり、治していきましょうね。