母乳の卒乳について。母親の気持ちとその子どもの成長
母乳の卒乳は、乳児から幼児への第一歩になります。卒乳の仕方は10人10色。たかが卒乳と思われる方もいますが、母子にとってはとても大切で大変な一歩になります。その思いを共感して子供の成長を感じて頂きたいです。
母乳を卒乳する頃
現代は共働きが多く、産休が終わって保育園へ預ける方が多くいらっしゃいます。
この頃、完全母乳、または母乳とミルクの混合で育ててきたお母さんにとって、大きな悩みとなる「卒乳」。
専業主婦の方も、検診先で保健師さんからおおよそ一歳から一歳半くらいで卒乳を勧められます。しかし、今まで母乳育児で頑張ってきたお母さんにとってはとても大きな壁となります。
様々な環境によって卒乳の時期は変わりますが、一般的な目安は歩き始めた頃、離乳食を三食しっかり摂る頃、歯が生えてくる頃などです。また夜泣きの回数が多いお子さんは、授乳をやめれば回数が減るという事もあります。
断乳
昔は母乳よりミルクの方が栄養が豊富、味が安定しているという事で推奨されていましたが、現在では母乳で赤ちゃんを育てることは乳幼児期において生涯にかかわる重要な意味があり、授乳によって母子関係を築くことができると言われています。
そういったメリットがある中、仕事復帰または精神的苦痛などの理由で「断乳」される方もいます。
「断乳」したから楽になるとは限りません。赤ちゃんの夜泣き…日中は遊びで気が紛れますが、夜中はそうもいきません。赤ちゃんも夜泣きで寝不足になり、生活リズムが不規則になりがちです。
またお母さんの乳房もいきなりの事でブレーキがきかず、石のようにパンパンに固くはれ上がってきます。最悪の場合、乳腺炎や白斑になりかねません。
そうならないためにも「断乳」すると決めたら、助産師さん保健師さんなど周りの方の力を借りて、なるべくスムーズに出来るようにすることをお勧めします。
母乳について
赤ちゃんが生まれて、母親は母乳が出るようになります。また、妊娠中から出る方もいらっしゃいます。
個人差はありますが、最初の出始めの母乳の色は薄い黄色で、初乳と呼ばれています。タンパク質と抗体が多く含まれていて、免疫力がまだ発達していない赤ちゃんに受動免疫を与えると共に、消化器官の発達も助けます。
その後3~4日間は薄い水っぽくなり、味は非常に甘いです。それ以降になると濃いクリーム色になってきて、赤ちゃんが必要とするタンパク質、ミネラル、糖、抗体が多く出てきて赤ちゃんを守り、また喉の渇きや空腹感を癒します。
母乳はお母さんが食べたもので出来ている、と言う方もいます。なぜならば母乳は血液で出来ているからです。
脂っこい食事をすれば母乳に油が浮き、それを飲んだ赤ちゃんは下痢をする回数が増えたりします。またチョコレートやお菓子を頻繁に摂取すると、母乳は甘い匂いになります。お母さんがアルコールを一杯でも口にしたら、赤ちゃんの成長に影響すると言われています。
母乳が出ない!解消方法
母乳が出ないと、お母さんは女性として、親として、とても自信を無くしてしまします。悩み過ぎてノイローゼになってしまう程。
しかし、産院に聞くと「母乳が出ないと思い込み」の方が多いようです。特に疲れが出やすい3~4か月の頃にそう感じる方が多いので、いくつか解消法をお伝えします。
1、「睡眠をとる」
新生児は昼夜を問わず回数が多く、ミルクであれば4~5時間位あきますが、母乳ですと2~3時間おきでお母さんは寝る間もありませんね。なるべく日中の家事を軽くし、赤ちゃんと一緒にお昼寝をする事をお勧めします。
2、「マッサージをする」
母乳マッサージをすることで乳首を柔らかくし、また乳管の詰まりを良くし、脇の下にある乳房の腺房腔に刺激を与えます。マッサージする際はオリーブオイルや馬油などを使うと肌にやさしいのでお勧めです。
3、「授乳の回数を増やす」
最初は乳首が固いため、切れてしまう方も多くいます。母乳は「乳房を空にすると、その分作られる」と言われています。なので最初は痛くて大変ですが、なるべくミルクに頼らず授乳していきましょう。
4、「お母さんの食事を見直す」
睡眠不足で中々料理がスムーズに出来ない方が多いですが、なるべく和食中心のメニューにして母乳の質を良くしていきましょう。