炎上じゃないよ!いざと言うときに発揮する火事場の馬鹿力とは?
とあるマンガのキャラクターが土壇場に発揮する超人的な能力ではないですが、「火事場の馬鹿力」が潜在的に私たち”普通の”人間にもあるといわれています。この火事場の馬鹿力、いったいどこからどのように出てくるどんな力なのでしょうか?普通のときにも出せる力なのでしょうか?調べてみました。
いざと言うときにすごい力を発揮!火事場の馬鹿力
人間が何かしら命の危機に遭遇したとき、思いがけない力が出るといわれます。それを「火事場の馬鹿力」といい、それによって命が助かった例もよくあるようです。実は、この力って科学的にも証明されているんです!
火事場の馬鹿力、パワーの出所はどこにある?
火事場の馬鹿力・・・これは、人間が持つパワーの100%に近いパフォーマンスのことで、これは、そう簡単に出せる力ではありません。なぜなら、最大の力を出してしまう事=自分の体を傷つける事に等しいからなのです。
私たちの体は、多くの骨、筋肉が存在し、これらをMAXで使い続けると体への負担は相当なものになります。そのため、私たち人間には”リミッター”との言うべき安全装置のようなものが付いていて意識的に発揮するパワーの制限がかかるようになっているのです。全力を出したとしても、だいたい70%~80%の力しか出ないようになっているのです。
しかし、緊急的に自分の命が危険にさらされたとき、そのリミッターは外され、私たち人間は思いがけなく大きな力― 100%に近い力 ―を発揮します。これが、”火事場の馬鹿力”といわれるものの正体です。これは、老若男女誰にでも備わっている防御システムといえます。
アドレナリン放出が鍵?
体が緊急事態になると、脳内物質「アドレナリン」が放出されます。この「アドレナリン」は、興奮状態になると血中に大量放出されて、身体のエネルギー代謝や運動能力を高めます。それゆえに、能力以上の力を発揮することができるのです。
火事場の馬鹿力後・・・
良くマンガなんかでは、必要以上の力・・・”火事場の馬鹿力”を出した後、主人公が燃え尽きるシーンがありますが、現実的にはどうなんでしょうか?
本来100%の力を出した場合、かなりの負担が体にはかかります。しかし、これが火事場の馬鹿力が”発動”されていると、痛みなど感じることがない場合が多いと言われています。なぜなのでしょうか?
じつは、それは脳内神経伝達物質”β‐エンドルフィン”が影響しているといわれています。この物質は、「脳内麻薬」とも呼ばれる物質で、モルヒネの数倍もの鎮痛効果があるといわれています。
人間が死ぬ前に大量に放出されるとも言われている物質で、瀕死の重傷を負っていてもそのお陰で痛みを感じず動けるのです。しかし、我に返ったとき、中には失神するほどの痛みを感じる事もあるのだとか。
アスリートから学ぶ普段使いの「火事場の馬鹿力」
では”リミッター”を自由自在に操ることはできるのでしょうか? 自分自身の潜在能力を自由に操って、実力以上のパフォーマンスをしたい! と思いますよね。
答えは「YES」。たとえば、アスリートなどはそれぞれ”ルーティーン”と呼ばれる一連の決まった動きをすることで、精神を統一したりしますよね。例えば有名なところで言うとラグビーの五郎丸歩選手の五郎丸ポーズや、アイススケートの羽生結弦選手。競技の違いはあれども、それぞれ決まった動きをする事で、アスリート達は自身の潜在能力のリミッターを解除して爆発させるきっかけにしているのです。その結果、素晴しい結果を納めているのでしょう。