予防接種を受けてないとどうなる?予防接種を受けないリスクと受けるリスク
予防接種を受けることによって、後遺症となったり死亡するニュースを見ると、予防接種を受けさせない方が良いのではないかと思われるかもしれません。予防接種を受けてない場合のリスクと受けるリスクについて考えてみましょう
予防接種は危険なの?
予防接種には接種が義務付けられている定期接種と、個人が受けるかどうかを判断する任意接種があります。
2016年1月現在、定期接種は生後2か月くらいから11種類の予防接種を受ける必要があります。
任意の予防接種は受けようかどうしようか、迷うところですよね。予防接種を受けてないとどのようなリスクがあるのか、また受けることによって起こるリスクとはどのようなものがあるのかを勉強しましょう。
まずは予防接種を受けることで起こるリスク副作用と副反応についてです。
予防接種の副作用・副反応
予防接種を受けて、副反応が起こり後遺症が残ってしまったなどというニュースを耳にすると、予防接種は危険なのではないか? 予防接種を受けてない方がよいのではないか? と考えてしまいます。
予防接種の副作用・副反応にはどのようなものがあるのかをご紹介しましょう。
【腫れ】
予防接種を受けた後に接種部位が赤く腫れる副作用があります。Hibワクチンの場合は、およそ44%、肺炎球菌では70~80%、四種混合ワクチンのDTPでは初回は5%程度、2回目以降は30~40%程度の腫れがみられます。
抗原となるウイルスや細菌を体の中で増えないようにした不活化ワクチンの方が、腫れの副作用が起こりやすいです。
【しこり】
予防接種を受けた後、接種部分にしこりができることがあります。Hibワクチンでおこるしこりはおよそ18%、肺炎球菌は60~70%程度、初回DTPは約20%、2回目以降のDTPではおよそ30~40%のしこりの副作用がみられます。
【発熱】
全身症状として、予防接種後に熱が出たり、不機嫌になったり眠くなるなどの副作用がみられます。発熱の副作用はそれほど多くなく、Hibで2.5%程度、肺炎球菌で20%くらい、初回DTPは1%、2回目以降のDTPでは4%程度とわずかです。
予防接種で死亡するリスク 受けないで死亡するリスク
平成23年2月、3月に肺炎球菌ワクチンとHibワクチンを受けたところ、8人の子どもが死亡しました。
そのうち6人は睡眠中に死亡・心肺停止状態となり、2人は昼間に呼吸異常になり突然死亡しました。なぜ死亡してしまったのかという調査が行われましたが、予防接種との因果関係は不明であるということです。
また、以前に、DPTワクチンが接種中止となったときがありました。DPTワクチンはそれまで生後3か月以上だったのですが、その後2歳以上で接種が再開されたときに、副反応を恐れた国民がDPTワクチンを打たなかったため、3年後に接種歴のない人たちを中心として13,000人の百日咳患者が出て、それまでは死亡例が10例しかなかったのですが、20~30人の死亡者が出てしまいました。
予防接種を受けてないと・・・
予防接種をうけていないとどのようなリスクがあるのか、ワクチン別にご紹介しましょう。
【麻疹(はしか)】
麻疹にかかった後、予後に亜急性硬化性全脳炎になってしまうと、脳炎が進行して神経症状が起こり、数年後に死亡してしまうリスクがあります。亜急性硬化性全脳炎は一度掛かってしまうと完治させることができない病気です。
【おたふくかぜ】
おたふくかぜになった1,000人に1人の割合で難聴になってしまいます。一度難聴になると完治が難しく、全国3,000の医療機関によると、20万人もの患者が出ています。実際はその数倍掛かっているのではないかといわれています。
【日本脳炎】
1960年代半ばまでは数千人の患者がいた日本脳炎ですが、ワクチン接種の普及によって今では年間に数人の患者となりました。脳炎を起こしてしまうと感染した半数の方にてんかん、発達の遅れという後遺症が残ってしまいます。
予防接種を受けてないと後遺症が起こったり死亡をしてしまうリスクがあります。予防接種の副作用は副反応は怖いですが、予防接種を受けることによって防ぐことができる病気が多くあります。
予防接種は、副作用や副反応の情報をしっかりと確認した上で受けることが大切です。