日本は遅れてるの!?世界の社会保障は日本とどう違うの?
世界の社会保障はどうなっているのでしょうか。日本は納められた税金の中で社会保険費として使用されている割合が先進国の中でも下位です。スウェーデンが75%と高く、日本は41%です。社会保障制度が充実した国では大学までの学費や医療費が無料です。日本の社会保障制度はまだまだ遅れていると言ってもよいでしょう。
世界の社会保障!最も多く使っている国は何処?
1位はフランス
世界の社会保障の費用を最も使用している国は一体どこなのでしょうか?
GDP(国内総生産)に対する社会保障費を最も多く使っている国は1位のフランスで、約32%使用しています。2位はデンマークで30%、3位はフィンランドで29.55%です。日本は19位で22%です。
日本は社会保障給付費が低い
社会保障給付というのは、職を失くしてしまったり、働いているときに怪我をしてしまったり、介護が必要になった時や、年を取った時などに行なわれる給付のことです。年金や生活保護費もこの社会保障給付に含まれています。
医療や年金、福祉を含めて、スウェーデンの場合はGDPのうち社会保障給付費は38%、ドイツでは25.3%、日本は11.9%です。日本は医療も年金も、福祉も世界に比べると社会保障給付費が低いのが特徴です。
社会保障が高いほど税金も高くなります
世界で消費税が高い国は?
世界で一番消費税が赤い国はアイスランドで、約25.5%です。スウェーデンやデンマークは25%です。日本に比べると高い消費税率です。しかし、大学まで学費が無料で、障害者や高齢者には社会保障も充実しています。
ノルウェーも消費税が高く、25%です。しかし出産費用、大学までの学費は無料で、社会福祉制度は充実しています。
高い消費税は、所得が低い人ほど負担が多くなります。日本では、一律、消費税が8%ですが、海外では食料品や生活必需品などに関しては無税にしたり、税率を低くしています。
ただ問題なのは、法人税率を低くしているため、国民全体に負担がかかる消費税の税収分が、法人税減税の穴埋めになっていることです。
世界の社会保険料の事業主負担の割合は?
社会保障の財源として、個人や事業主から社会保険料を徴収します。世界での個人負担分と事業主負担分の割合は、どうなっているのでしょうか。
社会保障制度の進んだスウェーデンでは、個人の負担が7%で、事業主負担が28.6%です。フランスの場合は個人負担が9.6%で事業主負担は32%で、スウェーデン・フランス共に、個人の負担分が低い割には、事業主負担の分がかなり大きいことが特徴です。
ドイツの場合は個人負担が21%、事業主負担が21%で、半分ずつ負担しています。日本も個人負担と事業主負担が、ドイツ同様ほぼ半々ずつで、個人負担が10.9%、事業主負担は11.3%です。
税金の使われ方にも問題があります
税金が社会保障に使われる割合は?
国民一人一人が納めた税金は、社会保障として一体どのくらいの割合で、国民に還元されるのでしょうか。
スウェーデンでは75.6%と高確率なのに対し日本では41%で、社会保障が世界に比べると低い還元率です。税金の使い方について、もっと見直す必要があるでしょう。
社会保障の費用は年々増加していく
平成25年の社会保障給付費は110兆です。その内訳は年金が53兆円、医療が36兆円、介護福祉が21兆円で、今後は年々増加していくことが見込まれています。
ただ問題なのが、この社会保障の財源をどこから確保するかです。
後期高齢化社会、少子問題、勤労者世代がこれからも減少していくため、財源の確保が難しくなっていきます。この財源を確保するために、日本でも消費税が年々高くなることが見込まれます。
消費税の税率を1%上げれば、国の税収は2.5%になります。これから先、消費税が8%から10%になれば税収は5兆円増えることになります。消費税が増えることによって、国民の負担も相当なものになっていくことでしょう。