関節を鳴らすと太くなる上に、身体に良くないって本当?
関節を鳴らすと、スッキリして気持ちよくなるといって、身体のあちこちの関節を鳴らす人がいますね。しかし、関節を鳴らすと太くなる上に身体に良くない、とも言われています。関節を鳴らすのは、やめたほうがいいのでしょうか?
関節ってどうして鳴らしたくなるの?
関節が鳴る仕組み。
人の関節は、関節包と呼ばれる袋のようなもので覆われており、その中は関節液で満たされています。この関節液は、関節が動く時に発生する摩擦を減らすための、潤滑油のような役割を果たしています。
では、関節が鳴るのは、いったい何の音なのでしょうか?
関節を曲げたり、伸ばしたり、引っ張ったりするとき、関節の中では減圧がおきていて、真空状態となりますが、その時に関節の中にあった関節液が気化し、はじけて消えていくときの音が、軟骨や骨、関節液、腱などに反響して、あのポキッと言う音がするのです。
関節を鳴らした時の音は、骨と骨がこすれて出る音だと言われることもありますが、そうではありません。
関節を鳴らしたくなる理由。
関節を鳴らすクセのある人に関節を鳴らしたくなる理由を聞くと、鳴らさないと気持ちが悪い、鳴らすとスッキリする、などという答えで、関節を鳴らすことには爽快感があることがわかります。
関節を鳴らすと、どうして気持ちよいと感じるのでしょうか。
その理由には諸説ありますが、有力な説には、関節を鳴らしたときに音が発生する衝撃波をストレッチの効果のように勘違いしているという説、関節液の中の疲労物質である二酸化炭素が気化するためにスッキリするという説、などがあります。
関節を鳴らすと太くなる上に、身体に良くないの?
関節を鳴らすと太くなるの?
関節を鳴らす人は、関節が太くなるからやめるように、と周りの人から注意を受けた経験があるのではないでしょうか。実は関節を鳴らすことで太くなるのは、骨ではなく軟骨です。
関節をポキッと鳴らすときの衝撃波は、周りの骨や軟骨や靭帯をほんの少しずつ破壊していき、炎症を起こします。
衝撃波に近い上に弱い軟骨は、最も衝撃波を受けて損傷してしまいますが、損傷部分を修復しながら肥大していきます。それによって、関節が太くなったように見えるのです。
このことからもわかるように、関節を鳴らすことは、関節にある軟骨を損傷することになりますから、身体に良くない影響を与えていると言えます。
中でも首は様々な神経も通っている場所であり、関節を鳴らすことで神経を傷めてしまうようなことがあると様々な症状がでてしまいますから、鳴らすのは止めるようにしたいものです。
関節を鳴らすのを止める方法。
関節を鳴らすと太くなり、身体にも良くないとわかっても、一度関節を鳴らすことがクセになってしまうとそう簡単にはそのクセを止めることはできません。
しかし、ここは自分で意志を強く持って関節を鳴らすことを止めるようにしなければいけません。
どうしてもやめられないというのであれば、病院で関節を固定してもらい、関節を動かなくして、鳴らすことができなくなるようにする方法しかありません。
また、既に関節が太くなってしまっている人は、今更やめても仕方がないと思うかもしれませんが、一度関節が太くなってしまっても、関節を鳴らすのを2週間やめれば、ほぼ元通りに戻すことが言われています。
ゴツゴツとした太い関節を、元のように戻すことができると思えば、少しくらいの我慢はできるでしょう。
関節を鳴らしたくなったら、関節を鳴らしたときのスッキリ感ではなく、ゆっくりとストレッチを行うことで、スッキリとした気分になるように心がけましょう。