実在しない神経だけと有名な反射神経とは?良くする方法は?
反射神経とは特定の状況や条件に対して反応することです。実際には反射神経という神経は存在しませんが、動きが鈍くなったり、言葉がすぐ出てこないなども反射神経の低下を表します。加齢や脳疲労で反射神経が低下することがありますが、トレーニングによってある程度は維持、向上が期待できます。
反射神経とはどんな神経?
一般的に、俊敏な反応ができる人のことを「反射神経」が良い、と言われますが、実際に反射神経という神経は存在しません。
これは特定の神経のことではなく、状況や条件に応じて素早く反応できることを指す言葉です。
例えば、テーブルから落ちそうなグラスを掴んだり、様々な方向から飛んでくるボールをキャッチするなどの反応の速さのことです。
若いときには、多くの人がとくに意識せずに筋肉を効果的に動かしたり、言葉を巧みに使ってテンポの良い会話ができます。
反射神経の低下は脳と筋肉に原因がある
しかし、このような反射神経は条件によってはどんどん衰えてくることがわかっています。
反射神経が低下する原因は大きく二つあります。それは脳の機能低下と筋力の低下です。
素早く判断する機能が低下したり、意図した通りに筋肉を動かすことができないと運動機能も言語能力が衰えてしまうのです。
その条件の一つには加齢があります。しかし、単純に加齢だけで反射神経が低下するということはなく、多くは加齢によって生活習慣が変わったり、刺激や変化の少ない生活を送ることで反射神経は低下すると言われています。
脳疲労で一時的に反射神経は低下する
また、一時的な反射神経の低下としては睡眠不足などの脳疲労などがあります。
睡眠が不足すると、脳の機能は著しく低下します。このため、適切な状況把握ができなかったり、的確な判断に時間がかかるために反応が遅くなるのです。
このような状態は睡眠不足だけでなく、ストレス状態が続いた場合でも同じです。普段なら簡単にできることでも不快な気持ちでいたり、強いプレッシャーをかけられながら行うと反射神経は悪くなります。
反射神経はトレーニングで鍛えることができる
反射神経は持って生まれた才能と言われる部分もありますが、トレーニングが練習によって向上するものでもあります。運動の反射神経と思考や言語の反射神経はそれぞれどのようにトレーニングすると効果的なのでしょうか。
トレーニングの基本は反復にある
運動でも思考、言語の反射神経でも基本的なトレーニングは反復にあります。
運動ではとくに反復練習をすることが多いですが、これは反射神経を鍛えるという点でも非常に理にかなったことです。
頭で考えるのではなく、体が自然に動くまで行うことが奨励される反復練習ですが、これは脳と体の筋肉を鍛えるために非常に有効な方法です。
また、言語や思考においても反復練習は効果的です。とくに言語では同じ文章を何度も読むことで、言葉のリズムや言語の仕組みが認知されます。
このような反復は、行うための筋肉の発達と同時に、脳の該当分野を刺激することになります。
運動では無意識に行えるようになるまで繰り返す
運動でのトレーニングでは、目と動作のための筋肉を鍛えることがポイントです。そのためには、できるようになりたい動きを何度も繰り返し、無意識でも行えるまでやり込みます。
動作に飽きてしまわないように、適宜、実践や試合をすることで、トレーニングのモチベーションをあげつつ行うことが続けるコツになります。
言語は日ごろから読み書きを習慣にする
言語や思考などの反射神経をよくすることも、運動と基本的に同じです。
会話や読書をテンポよく行いたい場合には集中して読む、書く、音読などで言語に触れる機会を多く作ることが基本になります。
大人になってすぐに漢字が書けなくなったというのは記憶力の低下もありますが、時間をかければ思い出す、という状態は一種の反射神経の低下です。問題は普段から文字を読む、書く量が少ないために脳の言語機能が退化しているのです。
言語や思考のトレーニングとして有効な方法は小説などのような文章ではなく、論理のしっかりとした文章を読むこと、そして日記や手紙などで手で文字を書くことです。