社会的な問題だけじゃない!フードポルノの問題は摂食障害を増やす?!
フードポルノの問題はレストランとお客のみならず、お客同士のトラブルの元になるなど社会問題になっています。一方で一日中食べ物を見ることで食欲を刺激するフードポルノは撮影者にも見る側にも適正な食欲を損なうことがあり、摂食障害のリスクを増大させることが指摘されています。
世界的に増えるフードポルノの問題
フードポルノはレストランなどでの食事メニューを無断で撮影し、SNSなど公共性の高いメディアで紹介することです。
欲を刺激することや無断での撮影への不快感をポルノと表現し、否定的な意味合いの強い言葉で表現されています。
レストランの宣伝になる、食事の記録を取りたい、記念にしたい、など撮影者に悪意がない場合でも、フードポルノと呼ばれます。
レストランやシェフが嫌うケースも多い
それはレストランやシェフの中には、このような無断撮影や、勝手に多くの人の目に触れる場所への投稿などに、不快感を示す人が多くいるためです。
否定的な意見として、料理が冷めて美味しいタイミングを逃す・他の客への迷惑となる・素人のメニュー写真がマイナスのイメージとなる、などの理由が挙げられており、中には知的財産の侵害にあたると主張するレストランやシェフもいます。
また素人の下手な写真によって料理が美味しくなさそうに見えるなど、逆宣伝となることを嫌う人も多くいます。
日本では料理撮影に寛容な場合が多い
日本では携帯端末などで手軽に写真が取れることになったことに加え、ブログやSNSなどの発達で情報を公開する機会が増えたことで、レストランや自宅での食事を撮影し、投稿する人も少なくありません。
とくに一般人がブログを行っている場合、レストランなどでのメニューを伝えることは、人気コンテンツの一つと言われています。
有名店のコースメニューやビュッフェメニューの内容を細かく紹介する人気サイトも、数多く存在します。
また、このようなサイトに投稿するためのお店での撮影行為に対してもお店や客が寛容であり、お店側と大きなトラブルとなる場合は、これまでそれほどありませんでした。
ヨーロッパでは無断撮影を控えるのが無難
しかし、ドイツやフランスではとくに強く反対の声をあげる人が多く、旅行でヨーロッパを訪れた場合には、レストランで料理を撮影する前にお店の許可を得ることを強く勧める人もいます。日本と同じ感覚で撮影して、思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがあるからです。
お金を出して買ったもの、食べるものであっても、外食する場合にはお店の人にも周囲のお客さんにも不快な思いをさせないように、事前に許可を得るようにしましょう。
とくに格式の高いレストランや有名レストランではマナーを守って利用しましょう。
フードポルノは健康問題も引き起こす
このようにフードポルノの問題は国民性や文化の違い、あるいはマナーなどに問題があるとして話題になることが多かったようです。
しかし、最近になってフードポルノの問題には健康被害もあることが指摘されています。これはフードポルノの撮影者にも、また見る側にも問題となることがあります。
撮影者も見る側も摂食障害になるリスクが増大
撮影者の場合には食べることよりも料理の撮影が食事の目的になり、食べることの興味が失せて、食事量が減り、栄養不良になる可能性が指摘されています。
一方、アップロードされた料理写真を見る人には食欲を過度に刺激して、不必要なカロリー摂取をする傾向にあり、その結果肥満になるという報告もあります。
また、撮影者も見る側にも絶えず食事や食べ物を見ることで食欲が刺激され続けることで、適正な空腹感覚が失われる恐れがあると言われています。
これは性的な刺激をするポルノの氾濫と同じく、人間の理性的な行動を損なわせたり、正常な欲への反応ができなくなると言われています。