発がん性?子供の発達障害?食品添加物は危険か安全か
一般的な日本人は毎日大量の食品添加物を摂取しています。しかし、発がん性や子供のADHD、肥満などその危険性も指摘されています。本当に食品添加物は危険なのでしょうか。食品添加物の安全性や危険性、有用性などを賛否両方の立場から探ってみました。
私達はどのくらいの食品添加物を食べている?
普段の食事で、平均的な日本人がどのくらいの食品添加物を食べているかご存知ですか?
なんとその量は1年間に6.7kgです。6.7kgとは生後3ヶ月のヒトの赤ちゃんや、パグ犬やミニチュアプードルの成犬、32型液晶テレビの重さと同じくらいです。
これほど大量に食べている食品添加物は、危険ではないのでしょうか。
食品添加物って何?
食品添加物とは、食べ物をに添加する物質のことです。
豆腐を凝固するのに必要なにがりや、お菓子を膨らませるのに必要なベーキングパウダー、食べ物を腐りにくくさせる保存料や、色や香りを魅力的に見せる着色料や香料、味を整える甘味料や調味料など、さまざまな目的で添加物は使われています。
食品添加物の安全性
日本では、使用できる食品添加物が厚生労働省により定められています。
添加物には長年使用実績があり安全性に問題がなさそうな既存添加物や、厳しい試験で安全性が証明された指定添加物、天然香料などがあります。既存添加物も順次安全性の試験が行なわれています。
また、使用量も決められています。動物実験などから1日の上限摂取量が決められ、どんなに大量に食べてもその量が上回らないようになっています。
食品添加物は本当に安全?
食品添加物は危険だという説が、雑誌や書籍などで囁かれています。これらの説は心配のしすぎである面もあります。
認可される添加物は増え、摂取量も年々増えていますが、健康寿命も年々上がっています。また、食品添加物の安全性については日本を始め各国で科学的な実験を系統立てて行なっています。
一方、危険性を主張する記事の多くが、科学的根拠に基づいていません。
それに食品添加物の有用性も忘れてはなりません。防腐剤や防カビ剤の危険性が叫ばれていますが、食中毒やカビ毒で亡くなる人は年間に何人もいるのです。
食品添加物の安全性の疑問点
それでも食品添加物の危険性を指摘する声は無視できません。やはり今日の食品添加物にはいくつかの問題点があります。
現在判明していない毒性
厳しい基準で定められている食品添加物ですが、後から危険性が判明して日本でも指定取消となった添加物も複数あります。
イギリスの研究で子供のADHD(注意欠陥障害)との関係が指摘され、北欧では禁止されている食用色素の一部は日本では未だに認可されています。
認可されている食品添加物には現在判明していない毒性がある可能性もあるのです。
食品添加物の乱用
食品添加物は必要最小限の量を使用するのが望ましいのですが、食への関心が高い日本だからこそ、乱用されている面もあります。
安い価格で色がきれいで味が整っている食品を作るには、必要以上の添加物が必要となります。
複数の化合物による相乗毒性
食品添加物の安全性実験は単体で行なわれますが、実際には私達はさまざまな食品添加物や残留農薬を摂っています。
薬でも飲み合せで害になることがあるのに、いろいろな種類の食品添加物を一度に摂っても大丈夫なのでしょうか。
実は、相乗毒性については検査されていません。食品添加物同時の複合作用についてもよくわかっていませんが、食品と食品添加物の複合作用や、残留農薬と食品添加物の複合作用も不明です。
例えば、ソーセージやハムに使われている発色剤はそれ自体には発がん性はありませんが、肉のアミノ酸と体内で反応し、発がん性物質を作ります。
未だ解明されていない相乗毒性がある危険性も、食品添加物にはあるのです。