自撮り投稿がやめられない!SNSで自殺まで発展した身体醜形障害とは

自撮り投稿がやめられない!SNSで自殺まで発展した身体醜形障害とは

自撮り投稿がやめられないことが原因で自殺未遂をした少年がいます。しかし、決して他人事ではありません。自分の容姿が気になってそれに憑りつかれてしまうという病気があります。身体醜形障害です。どのような障害なのでしょうか?

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SNSで自撮り投稿がやめられないことから、自殺まで発展した人がいることをご存知ですか? 自撮りがやめられないってどういうことなのでしょうか?

自撮りって、ただ自分で自分を撮影するだけなので、「そんなに問題なの?」って思うかもしれません。ブログやインスタグラムをやっていれば、誰でも自撮りを投稿しますよね。

しかし、自撮りにこだわりすぎて病気になってしまうことがあります。顔のちょっとした部分が気になって、何度も撮りなおすのです。

これを身体醜形障害と言い、メンタルの病気になるため、罹患すると完治には時間がかかります。

具体的にどんな病気なのでしょうか? 以下で詳しくご説明します。

罹患するとかなり苦しむ身体醜形障害とは?

セルフィーにハマった少年の悲劇

セルフィーにハマった少年の悲劇

トレンドの自撮り。セルフィーとも言って、流行語にもなりました。世界でも流行っていて、今や5人に1人がセルフィーをしているそうです。

しかし、このセルフィーにハマって、地獄を見た少年がいました。イギリス人のダニー・ボウマン君です。

彼は、単にセルフィー好きの少年でした。イケメンだったので、何気なく自撮り画像をフェイスブックに投稿していたら、それを見たユーザーから鼻の大きさや肌荒れなどについて、ちょっとした指摘を受けることがありました。

そのため、もっと写りを良くしようと工夫するようになりました。これが悲劇の始まりです。

これが悲劇の始まりです。

ダニー君はその後、モデル事務所に所属しました。しかし、「もう少し痩せるように」「もう少し肌をきれいにするように」など注文を受けます。

そこで、事務所の期待に応えようと、過度なダイエットを始めます。一日りんご一個とクスクスだけ。10代の成長期にあるまじき食生活ですが、これを続けた結果、体重は44キロにまで落ちていきました。

その後、自撮りにもこだわり続け、勉強も手に付かなくなり、授業中トイレに行ってコソコソ自撮りする日々。一日に10時間を費やし、200枚も撮影していました。

やがて学校にも行かなくなり、自宅にこもって自撮りをする日々。しかし、どうしても自撮りに納得がいかず、とうとう絶望して薬の大量服用による自殺を図ってしまいました。

母親に発見されて何とか一命はとりとめたものの、彼の心は手の施しようのないほど蝕まれていました。

体調が回復してからは精神科を受診し、初めて身体醜形障害と診断されて、それからスマホと絶縁し、薬物療法や認知行動療法などにより、少しずつ快方に向かいました。

しかし、これには本人はもちろん、家族も大変な忍耐と努力を必要としました。

身体醜形障害とは?

身体醜形障害とは?

身体醜形障害とは、自分の顔などの一部が気になってしょうがなくなる病気です。

他人から見たら何も感じない部分でも、本人はひどく気にしてこだわり続けます。髭を生やして見えなくしたり、歯科や美容外科などで治療を受けたりします。

それでも納得がいかず、結局学校や仕事、イベントなど人前に出ることを避けるようになり、夜だけ外出したり引きこもりになったりします。

やがて社会的に孤立し、障害による苦痛に耐えられなくなって最悪自殺に追い込まれるというケースも少なくありません。ダニー君も同じようなケースでした。

身体醜形障害は10代くらいの若者に発症率が高く、女性の方が多いと言われています。

治療法は?

治療法は?

身体醜形障害はメンタルの病気なので、心療内科や精神科で治療を受けます。治療には抗うつ薬を用いたり、障害に焦点を合わせた認知行動療法などが行われます。

患者自身が気づくことと行動パターンを修正していく森田療法も有効で、完治までは個人差があるものの、早ければ3か月、長くて数年で治ると言われています。

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