急に不安になるなら、治療が必要な不安障害の可能性!
"目の前に心配ごとや緊張する状況が直接ないにも関わらず、急に不安になることはありませんか?
パニック発作を繰り返して症状が広がり、日常生活や人間関係に支障が出てきます。
それなのに、障害に気付かずに治療されていないという現状を少しでも知って下さい。"
急に不安になることは、多かれ少なかれ誰にでもあると思います。
しかし、それが具体的な心配ごとや緊張する状況が目の前にないにも関わらず、突然落ち着かなくなったり、どきどきが止まらない、調べても体には異常はなく、苦しかった症状はいつの間にか無くなっている・・・。
ひどいときには救急車で運ばれるほど突然胸が苦しくなって、発汗、めまい、どきどきが止まらなくなる・・・。
この場合は不安障害、パニック障害(パニック発作)が考えられます。
不安障害・パニック障害は治療されていない?
不安障害は、精神障害の中で最も一般的で多く見られるものなのです。しかし、本人や周囲もさらには専門家でもこの障害に気づかないことが多く、ほとんど治療されていないのが現実です。
さらに不安障害の人はうつ病を発症しやすい傾向もあるので気付かないでは済まない問題です。20代、さらには30代、40代と比較的若い年代で発症する人が多く人ごとではありません。
パニック障害は、男性よりも女性に発症しやすいということも言われています。
急性の突発性の強い不安を繰り返すパニック発作は、苦しい身体症状があらわれて死んでしまうのではないかと思うほどなのに、時間がたつと自然に消えてしまうのが特徴です。
パニック発作は症状が広がる
パニック発作は繰り返すうちに「また起きるのではないか」という不安をいつも感じてしまう「予期不安」という症状がでてしまうことがあります。
いつくるかわからない不安のあまり、仕事を辞めてしまったり社会活動に支障がでてきます。
また、そこに行くと発作が起きそうな気がする「広場恐怖」というのもあります。
発作のことを考えて苦手な場所ができて、その場所や状況を避けるようになると1人で外出できなくなります。苦手な場所は電車・美容院など広場とは限らず、この症状が強くなると引きこもりになることがあります。
このように人間関係や日常生活に支障がでてきます。
他人にはわかりにくく悩む
不安症状を伴わない心の病はない、といっても良いほど精神疾患には不安がつきものです。うつ病や統合失調症も、不安が一番強く現われる人がいます。
しかし、不安障害・パニック障害の悲しい現実は、痛みや苦しみを周りに信じてもらえないことではないでしょうか?
何度も繰り返すパニック発作は、体自体には異常がありませんので、それが分かると、「またか」「気の持ちよう」「大げさ」と心ない言葉を浴びせられることもあるかもしれません。
本当はとても痛くて苦しいのに、誰からもそのつらさは理解されないことが多いのです。
治療によってかなりの改善が見込める
不安障害の内容によって治療法は異なりますが、薬物療法や行動療法などを行います。薬物療法と行動療法をあわせて行うことが効果的とされていて、かなり改善が見込めるのだそうです。
あわせて、パニック発作を起こすような状況には次第に慣れていくためのトレーニングをします。少しずつ苦手なことに慣れていく心理療法に自分のペースでゆっくり取り組んでいきます。
中には治療をしなくても回復する人もいますし、長年に渡って症状が一進一退する人もいます。
とてもつらい激しい発作が何度も起きると、いつか発作で死んでしまうのではないか、と心配になってくるかもしれません。しかし、「パニック発作で死ぬことはない」と覚えておくだけでも気持ち的に違います。
心も呼吸させてあげて
ストレスを受けやすいタイプの性格は、真面目で几帳面、何事にも一生懸命、他人を思いやる気遣いができるような方が多いと言われます。
このような方は、知らず知らず頑張りすぎていて不安障害やパニック障害にかかりやすいのかも知れませんね。
以前ドラマの主題歌になった「心情呼吸」という歌があります。
心情呼吸とは、悲しいとか寂しいとかつらいという気持ちも抱え込まずに外に出してあげることで、「心も呼吸すること」ができるという意味なんだそう。
そんなふうに心も呼吸していかないと、いつかパニックの悲鳴となってしまうかもしれません・・・。