ステロイドとはどんな薬?ステロイドには副作用があるって本当?
様々な病気の治療薬として使われているステロイドとはどんな薬なのでしょうか?一般的に、ステロイドは副作用が多いことから敬遠されがちな薬です。では、具体的にどんな副作用があるのでしょうか?ステロイドを使用する際の注意点もまとめました。
ステロイドはなぜ敬遠される?
ステロイドとは?
ステロイドと聞くと薬のイメージが強くありますが、実際は元々人間の体内に存在しているホルモンです。ステロイドホルモンには、男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンも含まれます。
このホルモンを人工的に作ったものがステロイド薬です。
現在、ステロイドは様々な病気の治療薬として使われています。その主な効果は、抗炎症効果や免疫機能の抑制効果です。
ステロイドは高い効果がある反面、副作用が多い薬としても知られています。そのため、多くの人はステロイドをできれば使用したくないと考えているでしょう。
しかし、ステロイドだけでなくどんな薬にも少なからず副作用はあります。ステロイドは副作用が多いのは事実ですが、医師の指示に従って正しく服用すればそれほど心配はいりません。
ステロイドの副作用
ステロイドの副作用としてまず挙げられるのが、肌荒れや体毛が濃くなる、皮膚が薄くなるなどの症状です。また、白内障や緑内障など目に副作用が表れることもあります。精神状態の変化もステロイドの副作用に含まれます。
ステロイドの副作用は軽いものから重いものまで様々ですが、症状が重いものには糖尿病や高血圧、脂質異常症などがあります。
ステロイドはインスリンの働きを邪魔するため、血糖値が上がってしまいます。これにより糖尿病になりやすいのです。
また、ステロイドは血液中のナトリウムを増やすため、これによって高血圧が引き起こされます。脂肪が増えることによって脂質異常症だけでなく、ムーンフェイスや野牛肩の症状が表れることもあります。
ステロイドを大量に服用している場合、副作用として骨粗しょう症になることも考えられます。
骨粗しょう症は高齢者の病気と思われがちですが、ステロイドを服用している場合は若い年代でも骨粗しょう症になります。
骨粗しょう症は骨の密度がスカスカになることから骨折しやすくなってしまいます。転んだだけで骨折してしまったり、椅子に座っただけで骨折することも珍しくありません。
また、ステロイドの副作用として無菌性骨壊死も挙げられます。これは骨の末端にある細胞が壊死してしまう状態で、体重が掛かる足の骨などに起こりやすいようです。
他にも、感染症もステロイドの副作用です。感染症の具体例として、インフルエンザや肺炎などが挙げられます。このような感染症は、ステロイドによって白血球の機能が低下することで引き起こされます。
ステロイドを使用する際の注意点
前述したように、ステロイドは副作用が多い薬です。この副作用だけを見ると、使用したくないと思う気持ちもよく分かります。
しかし、ステロイドは注意点さえ守れば、上記に挙げた副作用の心配はほとんどいらないと言われています。では、どんな注意点に気を付ければ良いのでしょうか?
まず、ステロイドを長期間使用しないことが大切です。ステロイドは、長期間使用すればするほど副作用が表れやすくなります。
一般的には1週間程度で効果が表れますが、万が一1週間経過しても効果が表れない場合には、もう1度医師の診察を受けることをおすすめします。
ステロイドは、医師の指示に従って用法・用量を必ず守りましょう。自己判断でステロイドの使用を中止してはいけません。ステロイドは、医師の指示通りに少しずつ量を減らしていかなければならない薬です。