今や日本教育の黒歴史?学校で指導されていた食事法・三角食べとは?
三角食べとは1970年代の学校で指導されていた、主食、おかず、汁物を一方向に一口ずつ食べるという食事法です。厳しく指導する学校もあったようですが、現在では肥満や咀嚼する力の低下など健康的とは言えないと言われています。近年では食べ順ダイエットなどで一品ずつ食べることが推奨されています。
三角食べとはどんな食べ方?
最近では、学校の給食時間や家庭科の時間で、三角食べを推奨することが少なくなっているようです。三角食べとは、食事のときに、主食・副菜・汁物などを一口ずつ食べるという食事法です。
三角食べの良いところは、様々な栄養を摂取することができることです。とくに子供のうちは好きなものだけを食べてお腹を満たすことが少なくなく、このため栄養バランスが偏ることが多くなります。
このような偏食をなくす食べ方として、1970年代から多くの学校で指導されてきました。
和食は三角食べで美味しく食べられる!
三角食べは世界的には珍しい食べ方とされていますが、それは日本食の特徴にもあるようです。
和食の主食はご飯ですが、その味は淡白で、それだけでたくさん食べることが難しいものです。そのため、和食には口内調味と言われる食べ方があります。
これはご飯とおかず、ご飯とお味噌汁など、複数の料理を口に含んで咀嚼しながら味を楽しむ食べ方です。
もともと和食にはこのように、複数の食べ物を一度に口に入れて味わう文化がありました。とくに現在のように主菜や副菜が豊富でなかった時代には、主食のお米を多く食べる必要がありました。
現在では女性が一日に1合のお米を食べることも少なくなりましたが、以前は平均的な女性であっても、わずかなおかずで一日に2合〜3合を食べることは珍しくなかったようです。
今では、そんな人がいたら、大食らいと言われてしまいますよね。
学校で指導されていたのは不可思議な食育だった
ただ、実際の学校教育の中では、このような和食の特徴や美味しく食べるための方法として指導されていたことは少なかったようです。
例えば、ご飯(パン)、おかず、汁物(牛乳)を一方向で食べることを強制し、従わなければ体罰を行うほど厳しく指導していた学校もあったようです。
当時はメニューも味ではなく、カロリーや三大栄養素の割合だけで決められたおり、美味しさを目指すものではなかったようです。
現在ではこの三角食べという食べ方にそれほどの健康効果があると認められておらず、日本の高度成長期の学校で行われた不可思議な食育と言われています。
三角食べは実は健康によくなかった?
三角食べの弊害として、最近ではカロリーの過剰摂取になる可能性や、口内が乾燥すること、血糖値を急激にあげるため肥満や過食を誘発すること、などが指摘されています。
また、強い味に鈍感になることや、咀嚼する力が育たない(水分と一緒でなければ飲み込めない)などの問題点も指摘されています。
現在は一品ずつ食べることが推奨されている
最近では、日本でも三角食べではなく、野菜、汁物、主菜、主食と一品ずつ食べることが血糖値の急上昇を防ぎ、消化しやすいなど、より健康的な食べ方であることが認知されてきました。
このような食べ順、あるいは食べる順番ダイエットは大人の肥満防止だけでなく、子供にも有効であると言われています。
実はこの食べる順番ダイエットの食べ方は、フレンチコースと同じと言われています。
フランスでは伝統的に太らない食べ方をしていた!
フランスは食文化が世界的にも発達していると言われていますが、食への関心が深く、美味しさに貪欲であり、さらに健康や美にも関心が高いだけあって、美味しく食べても太らない食べ方を経験的に知っていたのでしょう。
戦後、日本は多くの点でアメリカ式を取り入れましたが、食事だけはフランスから取り入れて欲しかったですね。